血糖値とは?正常値や上がり過ぎた値を下げる方法を紹介

健康診断で血糖値が高いと指摘されると不安になりますよね。「もしかして糖尿病になるの?」と感じる方も多いでしょう。

正常値を知ることで、自分の血糖値がどれくらいの数値なのかを比較できます。
そしてそのためにはまず、血糖値とは何なのかを理解しなくてはなりません。

そこで今回は血糖値とは何なのか、そしてそれを踏まえた上で、正常値(基準値)や「血糖値を下げる方法」を紹介します。

- 目次 -

そもそも血糖値とは?

血糖値とは、血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度のことです。

私達は毎日、生命維持に必要な栄養素を摂取するために食事をします。食事に含まれる糖質(炭水化物)・脂質・タンパク質は、エネルギー源として重要な栄養素です。

糖質は消化酵素によって分解されて、グルコース(ブドウ糖)として体内に吸収され、血液中から全身の細胞に取り込まれていきます。

食事の前後で血糖値は常に変動していて、ホルモンや神経系の働きで一定の幅に管理されています。健康な人でも変動するのが普通ですが、その振れ幅が大きくなりすぎると糖尿病の発症につながることがあります。

血糖値の正常値は?糖尿病はどれくらいから?

正常値(基準値)とは

健康な人では、食後に血糖値が上昇すると、すい臓から出るホルモン「インスリン」が働いて、血糖値が上がりすぎないように調整されます。

インスリンの分泌量が少なかったり、働きが十分でなかったりすると、血糖値が下がらない「高血糖」の状態が続きます。採血などの検査によって、正常値(基準値)との差を確認して糖尿病の可能性があるかを調べます。

血糖値とは

血糖値は「mg/dL」(ミリグラムパーデシリットル)という単位で表します。血液1dL中に何mgのグルコース(ブドウ糖)が含まれているかを示しています。

HbA1cとは

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)はヘモグロビンにグルコース(ブドウ糖)が結合した糖化ヘモグロビンのことです。高血糖の状態が続くと血液中に多くなります。
過去1~2ヶ月間の平均的な血糖値を「%」の単位で表します。

正常値はどれくらい?

検査方法によって、それぞれ正常値(基準値)が設定されています。

検査の種類

特徴

正常値

空腹時血糖値

・食事から10時間以上あけて測定する
・一般的には前日夜9時以降を絶食にして、翌朝食事前に採血する

110mg/dL未満
(100~109は正常高値)

75gOGTT
(糖負荷試験)
2時間値

・10時間以上絶食の後75gのブドウ糖を経口摂取して、2時間後に採血をする

140mg/dL 未満

随時血糖値

・食事のタイミングとは関係なく測定した血糖値

200mg/dL 未満

HbA1c

・採血で測定
・過去1~2ヶ月間の平均なので食事のタイミングは関係ない

4.6~6.2%
(国際標準のNGSP値)

糖尿病の判定基準とは

①空腹時血糖値:126mg/dL 以上
②糖負荷試験(75gOGTT)2時間値:200mg/dL 以上
③随時血糖値:200mg/dL 以上
④HbA1c:6.5% 以上

・①~③のいずれかと④が確認された場合→糖尿病と診断 ・①~④のいずれかと「口渇、多飲、多尿、体重減少」または「確実な糖尿病網膜症」が確認された場合→糖尿病と診断

①~④の1つでも該当する場合は糖尿病の疑いがあるため、専門病院やクリニックを受診しましょう。

糖尿病の判定基準と正常値の間がある

糖尿病の判定基準と正常値の間は「境界型」に分類されます。
・空腹時血糖値:110~125mg/dL
・75gOGTT2時間値:140~199mg/dL

また、空腹時血糖値が100~109mg/dLの正常高値の人に糖負荷試験を行うと、25~40%は糖尿病型や境界型になるといわれています。

境界型は糖尿病に進行する可能性が高く、特に食後の高血糖がある場合はすでに動脈硬化のリスクが高くなっています。早めに食事や運動の生活習慣を見直すことで、正常値に近づけることが可能です。

血糖値が上がるメカニズム

食事で摂取した糖質は、消化酵素でグルコース(ブドウ糖)に分解されて、すい臓から出るホルモン「インスリン」が働いて細胞内に取り込まれます。食事の2時間後には、空腹時と同じくらいの血糖値に戻ります。

食後時間が経っても血糖値が高い原因としては、

  • 食事の糖質量が多過ぎる または 糖質に偏り過ぎている
  • インスリンの分泌量が少ない
  • インスリンの働きが十分でない(インスリン抵抗性)

ことが考えられます。

血糖値を下げる食事・生活習慣

自分の体格や運動量に合った適切な量の食事を、バランスよくとることが大切です。過度な糖質制限や、脂質を極端に減らした食事は血糖コントロールを乱す原因になります。

血糖値が上がりにくい食事を意識する

主食の量や選び方に注意

主食(ご飯、麺、パン)は、糖質が多い食品です。ご飯の大盛りやおかわり以外にも、「うどん+おにぎり」「ラーメンは替え玉を追加」「間食に菓子パン」のように日常的に主食が多くなっていませんか。

主食の食べ過ぎに注意して、ご飯を1口減らす、食パンは5枚切りから6枚切りに変えるなど、今までより少しだけ減らすことを心がけてみましょう。

糖質がゆっくり吸収される食材を選ぶ基準として、GI(グリセミック・インデックス)という指標があります。GI値が低いほど、食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。

白米より玄米、パスタより蕎麦の方がGI値が低いです。GI値55以下のものは低GI食品と呼ばれています。

食物繊維を積極的にとる

食物繊維が多い野菜やきのこ、海藻、こんにゃく類を積極的にとることで、血糖値が急激に上がることを防止できます。食べる順番は野菜から先に、主食は後からということを意識しましょう。

飲み物は糖質が少ないものを

ジュースやスポーツドリンクには、血糖値が急上昇しやすい液体の糖質が多く含まれています。日常の水分摂取はお茶や無糖の飲料がおすすめです。

血糖値が下がりやすい生活習慣を意識する

食後に軽い運動を取り入れると、血糖値が下がりやすくなります。日頃はデスクワーク中心で運動不足という方は、階段昇降や簡単なストレッチから始めましょう。

肥満はインスリンの働きを悪くする原因にもなります。定期的に体重を測定して、生活習慣を振り返るようにしてみましょう。

血糖値スパイク(食後高血糖)に気を付けよう

食後1~2時間に血糖値が乱高下することを血糖値スパイクといいます。糖尿病になる前の食後高血糖だけでも、血管にダメージを与えて動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすことがあります。

食事と食事の間が長く、空腹時に糖質の多いものを食べると起きやすくなります。健康な人でも、突発的に朝食を抜いた日の昼食後には血糖値スパイクが起きるといわれています。

空腹時血糖値は正常に下がるため検査で見逃されやすく、注意が必要です。食後は急に眠くなる、昼食の後に集中力がなくなるという方は食生活を見直してみましょう。

まとめ

血糖値は自身の健康状態を知る非常に大切な指標です。血糖値が正常値より少し高くても、自覚症状は無いことがほとんどです。健康診断等で指摘された場合は、食事や生活習慣を一度見直してみましょう。

また、血糖値スパイクという、健康診断で発見されづらい症状もあります。普段から血糖値を急激に変化させない食生活を心がけましょう。食物繊維の多いごぼう茶や菊芋チップスは、食前に取り入れると手軽に血糖値コントロールができるのでおすすめです。

〈参考文献〉
日本糖尿病学会:糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告(国際標準化対応版):糖尿病55(7):494-495,2012
日本糖尿病学会編・著:糖尿病治療ガイド2018-2019:文光堂 p25