菊芋の栽培方法!基本情報から具体的な育て方まで紹介

保存性があまり高くないこともあり生鮮食品としてはほとんど出回っていない菊芋。
なんとなく名前だけは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

実は菊芋はイヌリンを多く含む食材として有名で、栄養価が高く非常に育てやすい食材でもあります。
今回はそんな菊芋の育てやすさの理由と、具体的な育て方をご紹介します!

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菊芋の基礎情報

植物名:菊芋(キクイモ)
科名:キク科
属名:ヒマワリ属
原産地:北アメリカ北東部

菊芋はキク科の植物であり、土壌をあまり選ばない非常に育てやすい植物です。
成長すると草丈が1~3メートルほどになり、キクによく似た黄色い花を咲かせます。 ちなみにこのことは“キクイモ”という名の由来にも関係していますよ。

菊芋の食すことができる部分はジャガイモやショウガによく似た見た目で、いわゆる塊茎と呼ばれるものです。 栄養価が高いことからスーパーフードとしても注目を集めている食材になります。

菊芋の栽培環境について

気になる菊芋の栽培環境ですが、プランター(植木鉢)または露地植えで育てます。
成長すると草丈が出てくることから、風の強い場所などは少し注意しましょう。必要であれば支柱なども用いてください。

場所としては日当たりの良い場所を好みます。
土は野菜用の培養土で大丈夫ですよ。荒れ地でも自生するほどの植物ですから、土質はそこまで選びません。

温度に関してもそこまで神経質にならずとも全国的に栽培可能な植物ですので、お家で気軽に栽培できる植物といえます。

菊芋の水や肥料の与え方

植えてから成長するまでの間、水や肥料についてはどうすればいいのでしょう? 栽培の手間とも言える部分ですから、事前に把握しておきたいですよね。

基本的に水やりは天候に任せておいても問題ない植物です。乾燥には強いという特徴もあります。ただどちらかというと過湿を嫌う傾向にあるので、水やりを行う場合は土が乾いてから行うとよいでしょう。

肥料に関しては、元肥として用土10Lあたりに対して5gから10g程度の化成肥料を施しておけばよいでしょう。この元肥を行っておくだけで育ちがよくなります。途中、追加で肥料を足すなどの行為は特に必要ありません。

水やり・肥料ともに、比較的手間はかからない植物と言えます。

菊芋の植え込みから収穫までの具体的な育て方

植え込みから収穫までの具体的な育て方について、順番に見ていきましょう。 栽培する際の参考にしてください。

植え付け

菊芋の塊茎を植え付けていきます。関東の方では3月上旬、冷涼地では4月下旬~5月中旬までに植え付けるのがよいでしょう。晩霜の心配がなくなったあたりの時期を目安にしてください。

複数植える場合は株の間を50㎝~1mほど空けるようにし、十分に余裕を持って育つだけのスペースを確保しましょう。深さは10~20cm程度を意識してください。

土寄せ・中耕

6~7月くらいになると、草丈がかなり伸びていますので、土寄せ・中耕を行います。これは、根が露出することや菊芋が倒れてしまうのを防ぐためですね。8月または9月以降になると花が開花して塊茎が大きくなる時期ですので、土寄せや中耕は行わないようにしましょう。

摘心・剪定

育成期を迎えて茎や葉がぐんぐん育ったら、必要に応じて半分程度に切り戻します。花が枯れてきた場合は枯れたものをそのままにするのではなく、こまめに取り除いてあげることで花を長く楽しむこともできます。

収穫

11月下旬以降、茎が枯れてきたら収穫できます。地上部を20cm程度残して刈り取り、試し掘りしながら収穫していきましょう。ただし菊芋は日持ちがしないため、必要な分だけ収穫していくのがおすすめです。

収穫せずに残しておいた塊茎があると、翌年また育ってしまうので注意してください。菊芋は連作には適していないため、翌年も栽培したい場合は別の場所に植え替えるなどしたほうがいいでしょう。

菊芋の収穫&保存方法

菊芋を収穫するときは、塊茎を傷付けないよう株の周囲の土をスコップで崩していくようにして掘り起こしてください。株ごと掘り上げることでキレイに収穫することができます。

収穫した菊芋は生のまま保存することが難しいです。そのため必要な分だけ順次収穫するか、1度掘り上げたものを再び土の中に埋め戻しておくのがおすすめでしょう。
どうしても室内で保存したい場合は、土が付いたままの状態で新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室に入れてください。

長持ちさせたいときは菊芋の皮を剥いてスライスしておき、冷凍するなどの手段もありあます。天日干しにして乾燥させたものを保存袋にしまい冷暗所で保存するのもおすすめですよ。

菊芋の栽培のポイント

菊芋は比較的育てやすい植物ですが、最低気温が17℃を下回らないと塊茎が太りません。そのため、どちらかというと寒冷地の方が育てやすい傾向にあります。日当たりの良い冷涼な環境というのが上手に育成するポイントになってきます。

また、繁殖する力も優れているため野生化しないよう注意が必要です。野生化すると根絶やしにするのが困難ですので、不安な方は露地植えではなくプランターなどを利用するのがおすすめです。
もしも他の植物と一緒に栽培するときは、できるだけ離れた場所に植え付けるようにしてください。

基本的に難しいことはなくどのような環境でも育ちやすいですが、それゆえしっかりと収穫できていないと翌年も勝手に生えてくるなどのトラブルもありえますので注意しておきましょう。

菊芋の食べ方

栽培し、収穫した菊芋の食べ方ですが、菊芋は生でも加熱しても食べられる便利な食材です。そのためサラダや和え物などの簡単でお手軽なメニューはもちろん、炒める、煮る、揚げるなどしてメインメニューとしても活用していくことができます。 生の場合はシャキシャキとした歯ごたえが楽しめますし、加熱すればホクホクの食感が味わえますのでぜひ色々と試してみてください。

事前の下処理についてですが、菊芋の皮は薄いため、皮を剥かずとも食べることができます。土が残っている部分や、コブの部分など気になるところを取り除くだけでも十分ですよ。何より菊芋の皮にはポリフェノールや食物繊維が含まれているため、なるべくそのまま食べる方がおすすめです。

もしも皮が気になるという場合は、包丁の背や金たわしを利用すれば簡単に剥くことができます。
皮を剥いたとしても菊芋の有名な栄養素であるイヌリンは含まれていますので、健康面で効果効能もばっちり期待できますからお好みで召し上がってくださいね。

まとめ

菊芋は繁殖力が強く、害虫の心配も無いため非常に育てやすい植物になります。そのためあまり植物などの栽培経験がない方でも気軽に取り組んでいただけるでしょう。

また、菊芋は栄養価も高く色々な食べ方が出来ます。収穫した菊芋を使用してお好みの食べ方を見つけるのも1つの楽しみかもしれませんね。
ただ1点、保存性があまり高くないのでそこには注意が必要です!せっかく栽培したものが無駄になってしまうと悲しいですから、保存方法はしっかりと確認しておきましょう。

気になっているけど育てるのはハードルが高い、味がどんなものか分からないから悩んでいるというような人は、市販の菊芋チップスなどでまずは菊芋の味を確かめてみるのもおすすめですよ。
栽培したものも市販品も菊芋の栄養価が豊富であることには変わりありませんから、自分の試しやすい方法を選んでみてください。

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