糖尿病でも食べてもいいもの!食材の選び方や調理法のポイント

記事の監修

 

「糖尿病の時って結局何を食べたらいいの?」
「これは食べてもよかったかな?」
毎日の食生活の中で、疑問に思うことがありませんか?糖尿病の時に食べてもいいものって、常に把握しておくことは難しいですよね。
今回はそんな糖尿病のときに食べても良いものを紹介します。具体的にどんな食べ物が糖尿病に良いのか、食材の選び方や調理方法も合わせて紹介します。

- 目次 -

糖尿病のときに食べても良いもの

結論として、「糖尿病だから絶対に食べてはいけない食べ物」は基本的にはありません。
糖尿病は、血糖値を下げるホルモン、インスリンの分泌や作用不足により慢性的に血糖値が高くなる病気です。高血糖が続くと血管にダメージを与えて、やがて神経障害や糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などの合併症を引き起こします。
糖尿病の食事療法の目的は、食事による血糖値の急上昇や乱降下を防ぎ、合併症を予防することです。血糖値への影響を考えて、食材を選んでいきましょう。

お菓子は空腹時を避けましょう。

糖質の多いお菓子類は食後の血糖値を急上昇させます。特に空腹時は体が糖を欲しているため吸収が早く、「血糖スパイク」という合併症のリスクを高める状態になります。甘いお菓子は食後に少量を目安にしましょう。「低糖質」や「カロリーコントロール」の商品がコンビニやスーパーでも取り扱われています。個包装のものが食べ過ぎを防ぎやすくオススメです。

糖尿病でも食べていいお菓子についてはこちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

糖尿病でも食べてもいいお菓子とは?注意点と条件も解説

コーヒーは無糖やカフェインレスがオススメです。

コーヒーはブラックであればカロリーがほとんどありません。砂糖入りのカフェラテは糖質も脂質も多いので避けましょう。カフェインの作用で血糖値が上がりやすくなるため、摂り過ぎには注意が必要です。カフェインレスのコーヒーを取り入れても良いでしょう。

牛乳で食後の血糖値が上がりにくくなります。

牛乳に含まれるタンパク質ホエイプロテインが、血糖値を下げるのに役立つと言われています。インクレチンというホルモンにインスリンの分泌を促す働きがあり、ホエイプロテインによってインクレチンの分泌がスムーズになるためと考えられています。
食事と一緒にコップ半分100ml程度の牛乳を飲むことで、食後血糖値の上昇が緩やかになるという研究報告があります。忙しい朝に、牛乳を取り入れてみましょう。1日量はコップ1~1.5杯程度が目安です。

果物もお菓子と同じく食後に少量を

野菜と果物はどちらもビタミン、ミネラルが豊富ですが、果物はブドウ糖や果糖を多く含む点が異なります。果物は野菜の代わりにはなりませんので注意が必要です。
体格が大きい人も小さい人も、1日80kcal程度、キウイフルーツなら1.5個、バナナなら1本が目安量です。お菓子類と同じく空腹時を避けて、食後のデザートとして少量という食べ方にしてみましょう。

味噌汁に血糖値を下げる効果があるかも?

赤味噌に多く含まれる「メラノイジン」という色素に、糖の吸収を緩やかにする効果があると言われています。
厚生労働省「2016年人口動態統計月報年報」によると、人口10万人に対する糖尿病による死亡率が最も低かったのは愛知県でした。行政の働きかけによる効果ももちろん大きいですが、日常に取り入れられる八丁味噌が血糖コントロールに良い影響を与えていると考えられます。
季節の野菜や、ワカメ、きのこなど食物繊維の多い食品を使った具沢山の味噌汁を、1日1回取り入れてみてはいかがでしょうか。

パンの種類によって糖質の量が異なります。

材料にライ麦、全粒粉、ふすまを使用したものを選びましょう。
ライ麦の食物繊維は小麦粉の2倍、糖質の代謝を助けるビタミンB1が多いのも特徴です。全粒粉は小麦の皮も全て粉にしているので、食物繊維は小麦粉の約5倍です。
ふすまは小麦表面の皮の部分のことです。ふすまを使ったパンは、ふすまパンやブランパンと呼ばれています。

[小麦粉(薄力粉)、ライ麦粉、全粒粉、ふすまの成分比較(100g当たり)]

種類

カロリー

タンパク質

糖質

食物繊維

カルシウム

ビタミンB1

薄力粉

349 kcal

8.3 g

73.3 g

2.5 g

20 mg

0.11 mg

全粒ライ麦粉

317 kcal

12.7 g

57.4 g

13.3 g

31 mg

0.47 mg

全粒粉

320 kcal

12.8 g

57.0 g

11.2 g

26 mg

0.34 g

小麦ふすま

216 kcal

15.6 g

21.7 g

42.8 g

73 mg

0.52 mg

表のように、ふすまは小麦粉に比べて糖質が少なく、食物繊維やビタミンB1が豊富で、食後血糖値の上昇が抑えられます。あんぱんやメロンパンのように砂糖を多く使ったパンよりも、糖質の少ないものを選びましょう。

お米は玄米や雑穀を選びましょう。

玄米ご飯、雑穀ご飯がオススメです。玄米の食物繊維は白米の約5倍で、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富です。血糖値の上昇が白米に比べて緩やかになります。
白米だから量を少なく、玄米だから量を多く、という食べ方は他の食材とのバランスが崩れやすくなるため避けましょう。朝食を玄米におきかえるだけでも、次の食事による血糖値が上がりにくくなる「セカンドミール効果」があるといわれています。

外食・コンビニでの食べ物の選び方

糖尿病の有無に関わらず、理想は主食・主菜・副菜のバランスが取れた食事です。外食では、一汁三菜の定食メニューがバランスよく揃えられているので選びやすいです。食物繊維の多い野菜から食べる「ベジタブルファースト」が食後の急激な血糖値上昇を防ぎます。

コンビニで手軽に買えるパンやおにぎり、パスタやうどんなどの麺類は、単品では糖質の多い炭水化物に偏ります。コンビニ弁当もご飯と揚げ物が中心で野菜が少ないものが多いです。+タンパク質、+野菜を意識して選びましょう。

[オススメの選び方]

おにぎり

雑穀やもち麦を使ったもの

パン

ふすま(ブラン)パン、卵とトマトやレタスのサンドイッチ

麺類

オクラやワカメの入った蕎麦

汁物

野菜が多いスープや味噌汁

乳製品

牛乳やヨーグルト(無糖や低糖のもの)

野菜が少ない時にはサラダ、タンパク質が少ない時はゆで卵や焼き鳥(タレより塩)を追加してバランスを意識してみましょう。毎食完璧を目指すのは難しいので、前後の食事で調整していけると良いですね。

コンビニのスイーツもつい手を伸ばしたくなるところですが、毎日の間食は血糖コントロールを乱しやすいものです。そこで菊芋チップスを日常生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか。名前は「芋」でもごぼうの仲間。水溶性食物繊維が豊富で、空腹時に食べても血糖値が上がりにくいです。玄米と同じ「セカンドミール効果」が期待できるので、朝食に取り入れても良いですね。

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調理方法のポイント

食事に含まれる脂質が多いほど、食後の血糖値は上がりやすく、さらに時間が経っても下がりにくくなります。油の使い方に注意が必要です。
油を使った調理では、揚げ物>焼き、炒め物>蒸し、茹での順に脂質の量が多くなります。サラダにかけるドレッシングやマヨネーズも、ノンオイルドレッシングやカロリーハーフマヨネーズを選びましょう。
菊芋チップスはサラダのトッピングや味噌汁の具材としても取り入れやすいです。不足しがちな食物繊維を積極的に摂取して、血糖コントロールを意識してみましょう。

まとめ

糖尿病があっても、過度に食事制限をする必要はありません。血糖値の上昇を緩やかにするという観点で、食材や調理法を選んでいきましょう。季節の食材を楽しみながら、食事療法を続けていけると良いですね。

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〈参考文献〉
eatsmartカロリー・チェック
https://www.eatsmart.jp/do/caloriecheck/index
一般社団法人Jミルク 血糖値コントロールで糖尿病&肥満の予防・改善をー牛乳は低GIの優等生
https://www.j-milk.jp/knowledge/healthcare/berohe000000ceof.html
厚生労働省eヘルスネット 果物
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html